ポスト印象派の画家として29世紀の美術に大きな影響を与えたゴッホ。実はオランダ出身の画家なんです!オランダを観光するならぜひゴッホ美術館に行きましょう。
ゴッホの厚塗りの絵画はとても有名ですが、ゴッホの生涯についてはどのくらい知っているでしょうか?
ざっくりとまとめると、
- 生前ほとんど絵は売れなかった
- 10年くらい弟のテオに金銭的援助を受けながら活動
- それでも精力的に活動し、10年間で2100枚以上の作品を残した
- 南フランスのアルルでゴーギャンと共同生活
- 共同生活のトラブルでゴッホが自分の耳を切り落とす「耳切り事件」が発生
- 精神病を患って病院生活
- 最後は自ら銃で絶命
壮絶すぎる人生…。
心境や環境の変化を受けて、絵画の雰囲気も移り変わっていきます。
- 初期は農民をモチーフにした暗い色調の質素な絵画。
- 中期は印象派の影響を受け、明るい色彩の華やかな絵画。
- 晩年は、渦やうねりで表現される不安げな絵画。
ゴッホ美術館では、1階→2階→3階の順に進むとゴッホの生涯を追えるようになっています。華やかなパリ時代の絵画から一転、精神的に不安定になった絵画を経て、麦畑などの自然で穏やかな絵画を残した晩年まで追っていくと、ゴッホの情熱と苦悩に圧倒されました。
本記事には、ゴッホ美術館に行く前に知っておきたい情報をまとめました。
- ゴッホ美術館の基本情報:アクセス方法・所要時間・チケット情報など
- ゴッホ美術館の鑑賞方法:ロッカー・館内マップ・オーディオガイド
- ゴッホ美術館の感想
- 周辺情報
ぜひゴッホ美術館でゴッホの一生に触れてみてください。
ゴッホ美術館の基本情報
概要
オランダの首都アムステルダムにあるゴッホ美術館。
ゴッホ作品が多数展示されています。オランダ時代・パリ時代・サン=レミでの療養時代・晩年の絵画があり、ゴッホの生涯を追っていくような展示方法です。その他、ゴッホと縁のあるポール・ゴーギャン、ジャン=フランソワ・ミレーなどの絵画も展示されています。
一部のエリアを除いて写真撮影は基本NGです。(本ブログの絵画写真はフリー画像を使用しています)
場所とアクセス
ゴッホ美術館はアムステルダムにあります。アムステルダム中央駅から、メトロまたはバスやトラムを使って約20分でアクセス可能です。
google map上で、アムステルダム中央駅からゴッホ美術館へのルート検索をすると、メトロ・バス・トラムいずれを使ったアクセス方法も表示されると思います。
google mapで表示されるアイコンの意味はこの通り。
オランダの交通系ICカードであるOV-chipkaartを持っていれば、いずれも簡単に利用できます。日本のようにややこしくなく、入り口と出口でICカードをスキャンするだけでOKです。スキャンを忘れると罰金が取られるので、忘れないよう気を付けて下さい。
google mapには、乗車駅名も降車駅名も表示されます。乗車中はgoogle mapの現在地を確認しながら乗ると安心です。
所要時間
所要時間は1時間半ー2時間といった印象です。
私はオーディオガイドを使って、ほぼ全ての作品の解説を聞きながら鑑賞したところ、2時間弱かかりました。
開館時間
金曜ー日曜:AM9時ーPM6時
コロナ中はよく開館時間が変わるので、訪問前に公式HPを確認するようにしてください。
チケットと料金
大人:20€
17歳以下:無料
ミュージアムカード所有者:無料
オーディオガイド
大人:5€
18歳以下:3€
チケットとオーディオガイドは公式HPから購入できます。
ミュージアムカードを持っていて無料の場合でも、公式HPから入場時間の予約が必要なので気を付けて下さい。
ゴッホ美術館の鑑賞方法
荷物はロッカーに
ゴッホ美術館にはロッカーがあります。手荷物やコートはロッカーに入れて、身軽になってから回りましょう。
館内は基本的に写真撮影NGです。ただし一部だけ撮影OKの場所があるので、撮影したければカメラはロッカーに入れずに持っていくことをおすすめします。
荷物を入れた後、4桁の数字を2回打ち込むとロックがかかるようになっています。
館内マップとおすすめの鑑賞順序
ゴッホ美術館は6階建てで、0階ー3階に作品が展示されています。
2階:テオとの手紙やゴーギャンとの共同生活に関する展示
1階:1883年ー1889年の作品
0階:ゴッホの自画像や年表など
1階から3階に上がっていくにつれ、芸術学校で作品を描いていた時代からゴーギャンとの共同生活、耳切り事件、精神的な闘病、そして最後に描いた絵画へと、ゴッホの人生を順に辿ることができます。
したがって、1階→2階→3階の順に鑑賞するのがおすすめです。0階は独立した内容なのでどのタイミングで鑑賞しても良いと思いますが、0階の年表を最初にみてから1階に進んだ方がより理解できるかもしれません。
オーディオガイドは日本語に対応
オーディオガイドでは、テオとやりとりしたゴッホの手紙などを織り交ぜて解説されており、ゴッホの考えや思想を知ることができます。
ゴッホについてあまり詳しくありませんでしたが、オーディオガイドを使って鑑賞した後は、ゴッホの壮絶な人生と画家としての意思を感じて魅了されました。
ゴッホ美術館を理解するのに必須のアイテムです。日本語にも対応しています。
各フロアにおける主要な作品をピックアップする機能もあるので、時間のない人にも◎
ゴッホ美術館の感想
ゴッホ美術館には以下の傑作の他、多数の作品が展示されています。
・ひまわり
・種まく人
・花魁
・花咲くアーモンドの木の枝
・アイリス
・カラスのいる麦畑
他にも、ゴーギャンが描いた「ひまわりを描くゴッホ」もありました。
有名な「ひまわり」が鑑賞できる!
ゴッホといえばひまわりですよね!このひまわりは破損しやすい状態であると判定されたことにより、2019年以降は貸し出ししないことになりました。ゴッホ美術館でしか鑑賞することのできない作品です。
ゴッホはテオへの手紙に「ひまわりの画家と呼ばれたい」と綴っていたそうです。今ではまさにその通り、ひまわりの画家として認識されていますね。
浮世絵から影響を受けた「花魁」
ゴッホは日本の浮世絵に興味を持ち、浮世絵の模写や、枠線を細い黒線で描く浮世絵の描き方を用いた絵画を残しています。ゴッホ美術館には浮世絵のゾーンが用意されていました。
画家としてのゴッホ
ゴッホはポスト印象派(後期印象派)に位置付けられます。印象派の流れを汲みつつ、自身の画風を確立していく世代なのだとか。
ゴッホは特に色が印象的だと感じました。テオへの手紙で「眼に映ったままの色ではなく、自身を表現するために色を使いたい」と綴っており、実際に温かさや楽しさ、力強さが絵画から伝わってきます。
ゴッホは生前ほとんど絵が売れず、弟テオから金銭的支援を受けていました。お金に苦労しながら精神的にも身体的にも病み、入院していた時期もあります。にも関わらず、約10年の活動期間中に、約2100点以上の作品をつくりました。
ほとんど絵が売れない中でも絵を書き続けたゴッホと、ゴッホの才能を信じ続けて長年支援し続けたテオ、報われるか分からない状態でも情熱をもって取り組み続けた天才の人生に触れた気がしました。
ゴッホ美術館の周辺情報
ゴッホ美術館から徒歩3分で、アムステルダム国立美術館へ行けます。
オランダの画家であるレンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」などの絵画が展示されており、オランダに来たなら是非行っておきたい場所です。
まとめ:ゴッホの人生に触れよう
以上、ゴッホ美術館に行く前に抑えておきたい情報と感想でした。
本音を言うと印象派の良さをあまり分かっていない状態で、オランダに来たなら行っておこうかな程度の気持ちで訪れました。
しかし、非常に内容の濃い美術館でした。ゴッホの人生に触れることができ、得られるものが多かったです。ゴッホ美術館を体験した後では、印象派と言われる絵画を見る目が変わり、一段と西洋芸術を楽しめるようになったと感じています。
ゴッホの油絵は筆の跡がしっかりと残っていて、実際に見ると画像とは全く違った感覚を受けます。ぜひ自分の目で見て、自分の感性で解釈してみて下さい。
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