オランダで2年間の海外赴任をしています。海外駐在するにあたって、どんな変圧器を買えばよいのかとても悩みました。
調べれば調べるほど、
- 変圧器は日常使いしない方が良いって本当?
- 加熱機器はワット数にゆとりをもたせる必要がある?
- 実際に海外に住んでいる人はどんな変圧器を使っているの?
という疑問が次々と生まれ、なかなか変圧器の購入に踏み出せませんでした。
変圧器の選び方を失敗すると、
- 日本から持っていった家電製品が使えない。
- 間違った変圧器を使うと、接続している家電製品が壊れる。
といった状況になる上、変圧器自体のお値段も高いので失敗したくないところです。
本記事には、変圧器の選び方から実際に海外で使った感想をまとめました。結論からいうと、以下のカシムラの変圧器であらゆる家電製品が使用可能、ただし電圧とワット数には注意が必要になります。
変圧器の必要性や選び方も解説するので、自分に合った変圧器を選んでくださいね。
変圧器は買うべき?買わなくて良い?
国によっては変圧器は不要
日本は電圧が100Vです。同じく100Vの地域に行くのであれば変圧器はいりませんが、100V以外の地域に行くなら必要になります。実際のところ、日本と同じ100Vの地域はほとんどないので、変圧器が必要になるケースが多いです。
海外赴任先になることが多い国について、それぞれ電圧とプラグ形状をまとめました。
電圧 | プラグ | |
---|---|---|
日本 | 100V | Aタイプ |
アメリカ | 110V | Aタイプ |
カナダ | 110V | Aタイプ |
台湾 | 110V | Aタイプ |
中国 | 220V | C, Oタイプほか7種類 |
韓国 | 110V, 220V | A, C, SEタイプ |
タイ | 220V | BF, Cタイプ |
シンガポール | 220-240V | B3, BFタイプ |
オーストラリア | 220-240V | Oタイプ |
イギリス | 220-230V | BFタイプ |
ドイツ | 230V | Cタイプ |
フランス | 220V | C, SEタイプ |
アメリカ、カナダ、台湾は110Vなので、100Vを110-130Vに変換する変圧器を用意しましょう。
ヨーロッパはほとんどの国が220-240Vです。他にも中国、韓国、タイ、シンガポール、オーストラリアといった国も。この場合は100Vを220-240Vに変換する変圧器が必要になります。
海外電圧対応の家電製品なら不要
海外電圧対応の家電製品なら変圧器は不要です。
プラグや家電本体にinput 100-240Vと書いてあれば海外電圧対応なので、海外で使う予定の家電製品をひとつずつ確認しましょう。写真のようにプラグに記載されていることが多いです。
ちなみに、私の持っていた家電製品を調べた結果は以下の通りでした。
・iPhone
・ノートパソコン
・ヘアアイロン
・Switchのゲーム機
・ドライヤー
・電気毛布
・炊飯器
・トースター
・アロマディフューザー
・加湿器
・ホットプレート
・テレビ
・アイロン
・電子レンジ
あくまで私のケースです。100V対応品を違う電圧のコンセントに繋いでしまうと壊れてしまうので、必ずご自分の電化製品を確認してくださいね。
もし海外で使いたい家電製品の中に100V対応品が少ないようであれば、変圧器を買わないという手もあります。変圧器を買わずに、すべての家電製品を海外電圧対応品に買い替えてしまうのもアリです。
一方で、100V対応品を海外でも使いたいのであれば、変圧器が必要になります。
変圧器の種類
電子式とトランス式
変圧器には電子式とトランス式があります。細かい区別は変圧器メーカーのHPをご覧ください。
私が調べた結果、
トランス式…ほとんどの電子機器に使える。ワット数には注意が必要。
と理解しました。
海外生活にはトランス式が合っているということが分かりますね。実際にトランス式の変圧器をオランダ(230V)で使っていますが、どの機器にもトラブルなく使用できています。
変圧器の選び方
使いたい電化製品のワット数をチェック
海外で使う予定の電化製品のワット数を確かめましょう。ワット数は取扱説明書に書いてあることが多いです。
変圧器の商品説明には以下のように記載されていました。
- 1時間以上連続で使用する場合は、変圧器の定格容量の80%を越えないこと。
- 熱を発生する機器(アイロンなど)やモーターの回転する機器(ドライヤーなど)は消費電力の3倍以上の定格容量が必要。
つまり、1時間以上連続で使う or 熱を発生する機器 or モーターが回転する機器を使う場合、ワット数にゆとりを持たせる必要があります。
参考に、私が海外で使おうと思っていた機器のワット数はこちら。
・アロマディフューザー:9W
・電気毛布:80W
・加湿器:985W
・トースター:1000W
・炊飯器:1200W
・ホットプレート:1200W
・アイロン:1400W(持っていかないことにした)
・電子レンジ:1450W(持っていかないことにした)
・テレビ:44W(現地で購入することにした)
・ドライヤー:1200W(海外電圧対応品を購入)
加熱系の機器は変圧器の使用が難しいようなので、アイロンと電子レンジは持っていくのを諦めました。
また、毎日使用する家電も変圧器の使用はやめた方が良いかなと思い、テレビは現地で買うことに。ドライヤーは海外電圧対応品を日本で購入していきました。
ドライヤーに関しては旅行先にも持っていきたいので、海外電圧対応品を購入したのは正解だったと感じています。
結局、海外でも使いたい家電の最大ワット数は1200W。ワット数にゆとりを持たせて1500Wの変圧器を購入することにしました。
変圧器を海外で使用した感想
購入した変圧器はカシムラの1500W容量
変圧器はカシムラのトランス式、1500W容量で100V⇔220-240Vを変換できるタイプを購入しました。
なぜこの変圧器を選んだかというと、
- カシムラは大手の変圧器メーカー
- 一定の温度を超えると自動で停止する安全機能付き(サーマルプロテクタ)
家電トラブルで出火することもありますし、安全機能付きは嬉しいですね。
100V ⇒ 220-240Vと、220-240V ⇒ 100Vのどちらの変換もできるタイプです。日本の電化製品を海外で使用する場合は、220-240V ⇒ 100Vの変換が必要なので、変圧器のスイッチを写真のようにしてください。
1500W以外に2000W、3000Wの容量もあるので、使いたい家電製品のワット数に合わせて決めて下さいね。
実際にオランダで変圧器を使った感想
実際にオランダ(230V)の地域で1500W容量の変圧器を使った感想をお伝えします。
この変圧器で、
- 電気毛布(9W)
- トースター(1000W)
- 炊飯器(1200W)
- ホットプレート(1200W)
を問題なく使用できました。変圧器にはプラグ差込口が2つあり、合計で1500Wを超えない範囲で同時に使用することもありますが、トラブルなく使えています。
炊飯器は1200Wで加熱もするので不安でしたが、ちゃんと動いています。早炊きもできました。
全ての1200Wの炊飯器がこの変圧器で使えると保障できるわけではありませんが、参考にして下さい。
BRUNOのホットプレート(1200W)も問題なく使用できました。BRUNOはたこ焼きプレートが付いているので、海外で日本人とパーティしたり現地の人を家に呼ぶときに大活躍します。見た目がおしゃれでパーティ向けなのも◎
また、海外生活で恋しくなる以下のような日本食も作れておすすめです。
- たこ焼きプレート…たこ焼き、小籠包
- 平面プレート…お好み焼き、もんじゃ
- セラミックコート鍋…おでん、すき焼き、チーズダッカルビ など
加熱の加減も日本と使っていたときと同じような感覚で使えています。
実際に問題なく使えてはいるものの、1200Wの加熱機器に対して1500W容量の変圧器を使用するというのは、ギリギリを攻めすぎたかなとも感じています。不安に感じる方は、ゆとりを持たせるために2000Wや3000W容量の変圧器を購入されても良いと感じました。
実際に使って感じたメリット
実際に使ってみて感じたメリットはこちら。
- 日本で使っていた電化製品を使えるのは安心!
- 簡単に設置して使用できる。
- 変圧器の見た目がおしゃれ。
電気毛布や炊飯器など、日本で使っていた機器をそのまま使用できるのはとても嬉しいです。
特に炊飯器が使えるのが便利でした。鍋で炊くより楽ですし、海外の炊飯器よりも日本の炊飯器の方がふっくら美味しく炊けるそうです。
それに、海外で普段と違うことが次々を起こる中、日本で慣れ親しんだ家電を使えるのは安心できます。また、変圧器は常に部屋の中に出ていることになるので、見た目がおしゃれなのも◎
デメリットは?
デメリットは以下の点になります。
- 値段が高い。
- 変圧器自体の重量が重い。
1500Wの変圧器で3万円弱と高いですね…。
でも、海外電圧対応の炊飯器やホットプレートは高額なので、新しく買いそろえるとこれ以上の値段になります。ほぼ毎日使うことになりますし、この値段でも高すぎるということは無いと思いました。
また、変圧器の重量は6キロと重いです。船便で送ることになるでしょう。船便はヨーロッパだと到着まで2ヵ月ほどかかるので、最初2ヵ月間は炊飯器なし、ホットプレートなしといった生活を送ることになります。
変圧器を使うときの注意
変換プラグが必要
家のコンセントに変圧器のプラグを接続するため、変換プラグが必要になります。駐在先のコンセントの形状を確認した上で、変換プラグを購入しておきましょう。
100均のダイソーで購入すると安いです。近くにダイソーがなければ、ネットでまとめて購入しましょう。
ブレーカーが落ちることがある
変圧器を家のコンセントに繋いだとき、家のブレーカーが落ちることがあります。変圧器を抜かずにブレーカーを入れ直せば問題なく使えるので、焦らずに対応してください。
変圧器に関するFAQ
よく聞かれる質問をFAQ形式でまとめました。
- Q海外赴任に変圧器は必要?
- A
変圧器が必要になるのは以下のケースです。
①100V対応の家電製品を海外でも使いたい場合。※すべての電化製品を海外電圧対応品(100-240V対応品)に買い替えるなら変圧器は不要
②日本の電圧(100V)以外の国に住む場合。
★赴任先の国の電圧をチェックする
- Q変圧器で炊飯器は使えますか?
- A
カシムラの1500Wの変圧器で、1200Wの炊飯器を問題なく使えています。早炊きもできました。
- Q変圧器でホットプレートは使えますか?
- A
カシムラの1500Wの変圧器で、1200WのBRUNOのホットプレートを問題なく使えました。使用感&温度のかかり具合も、日本にいたときと同じ感覚です。
- Q変圧器のワット数の選び方は?
- A
まとめ
以上、変圧器の選び方と実際に使用した感想でした。
- 海外生活にはトランス式の変圧器
- 現地の電圧に適した変圧器を選ぶ
- 使いたい電化製品のワット数をチェックして変圧器の容量を選ぶ
- 1200Wの炊飯器を1500Wの変圧器で使用できた
- 変換プラグは別途用意する必要あり
- 変圧器は重いので船便で送る
カシムラの変圧器は1500W、2000W、3000W容量があるので、使いたい電化製品のワット数を考慮して変圧器の容量を決めて下さいね。
これから海外生活を始める方が、最適な変圧器を選ぶ手助けになれば幸いです。
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