オランダに住むにあたって必要になるのが健康保険への加入。オランダに住む人は、オランダの保険会社が提供する健康保険に全員加入する必要があります。
ただし、よく調べると留学生や駐在員は条件によっては加入する義務がないとのこと。
私はオランダの大学で2年間社費留学をしています。留学なのか駐在なのかあいまいな立場のため社会保険の扱いが分からず、オランダや日本政府からの情報をしっかり調べました。
本記事にオランダの健康保険の内容をまとめましたので、これからオランダに住む方は参考にして下さい。留学生、駐在員、ワーキングホリデー、移住、いずれの人にも参考になる内容です。
オランダに住み始める人必見!
これからオランダで生活を始める方は「オランダ生活を始めるまでの準備一覧【海外赴任・留学・ワーホリ】」の記事もご覧ください。渡航前~渡航後までの準備がまとめてあります。
オランダの健康保険制度
オランダに住む人は基本的に加入義務あり
オランダに住む人は基本的に全員、オランダの保険会社が提供する健康保険に加入する義務があります。
日本では国民皆保険制度で保険料を支払っていますが、これと同じようなものです。ただし、オランダはいくつかある民間の保険会社の中から自分で選択し、自分で加入手続きする必要があります。
日本の医療保険に加入していたとしても、オランダに住むならオランダの保険会社が提供する健康保険に加入しなければなりません。
情報元:オランダの健康保険組合
- オランダに住む人は全員、オランダの健康保険に加入する義務がある。※例外あり
- 手続きは自分で行う。
留学生は加入義務なし
留学生は例外となり、オランダの健康保険への加入義務はありません。
そもそも、留学生はオランダの保険会社が提供する保険に加入することができません。日本の健康保険に加入するか、インターナショナルの健康保険に加入することになります。
私がオランダの大学に留学した際には、大学からAON students insurance package(Complete+ package)というインターナショナルの保険への加入を勧められました。オランダの大学に留学する人は大抵この保険をすすめられると思います。
医療費、損害賠償、旅行時の荷物、歯の治療がカバーされていて、安心できる保険内容です。詳しくは以下のリンクでご確認ください。
私は所属している日本の会社がかけてくれた海外旅行保険と内容が重複するので、AONの保険には加入しませんでした。
一点必ず覚えておいてほしいのが、留学生であってもアルバイトやインターンシップなどでオランダで給料をもらうのであれば、オランダの健康保険への加入が義務になるということ。雇用主がオランダ国外であれば加入義務はありませんが、雇用主がオランダ国内の場合は義務になります。
留学生の扱いについてはオランダの健康保険組合のサイトなどからの情報です。ご自分でも必ず最新の情報をチェックするようにしてください。
オランダの健康保険組合
オランダの健康保険組合|留学生の就労
Insurance|Study in Holland
- 留学生はオランダの健康保険への加入義務なし。
- 保険をかけたいなら海外対応の日本の保険かインターナショナル健康保険。
- 留学生でもアルバイトやインターンシップで給与をもらうなら加入義務あり。
海外駐在員は任期5年以内なら加入義務なし
海外駐在員とその家族は、駐在の任期が5年以内であれば、オランダの健康保険への加入義務はありません。
日本企業に所属したまま海外赴任する場合は、日本の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入し続けることになります。オランダでも健康保険に加入すると重複してしまうので、日蘭社会保障協定によりオランダの社会保障制度への加入が免除されるのです。免除を受けるには以下の書類を出国前に提出する必要があるので、忘れず手続きしましょう。
一方で、留学生と同様にオランダの保険会社が提供する保険には加入できません。日本の健康保険でカバーされる内容に不安があるようなら、海外にも適用できる日本の保険に加入するか、インターナショナルの健康保険を探して加入しましょう。
日蘭社会保障協定による免除については在蘭日本商工会議所のウェブサイトにも詳しく書かれているので、参考にしてください。
とはいえ海外駐在であれば会社や現地駐在員が詳しいはずなので、まずは経験者に相談するのが良いと思います。
- 任期5年以内の海外駐在員とその家族はオランダの健康保険への加入義務なし。
- 日蘭社会保障協定の書類を提出する必要がある。
- 保険をかけたいなら海外対応の日本の保険かインターナショナル健康保険。
海外駐在であっても現地で給与を受け取るなら加入?
ちょっと自信がありませんが、転籍出向の形で海外赴任していてオランダの会社から給与が支払われるなら、オランダの健康保険に加入する必要があると思います。
雇用主がオランダ国内にいるのであれば、オランダの健康保険への加入が必須とのことなので。
海外駐在であればやはり会社が一番詳しいはずですので、会社によく確認するようにしてください。
健康保険に加入するタイミング
必ず4か月以内に手続きを行うこと
オランダの健康保険に加入する必要がある方は、滞在許可が出てから又はオランダで働き始めてから4か月以内に健康保険に加入しなければなりません。
滞在許可が発行されないと健康保険に加入できないので注意してください。
情報元:オランダ政府のHP|健康保険
以下のサイトから健康保険会社を比較できるので、選んで手続きしましょう。
健康保険は滞在許可が発行された日から有効である必要があるので、4か月目に健康保険に加入したとしてもさかのぼって1ヵ月目からの分を支払うことになります。いずれにせよ支払う料金に変わりはないので、早めに手続きしてしまいましょう。
加入しないまま4か月が過ぎると、CAKから罰金請求の手紙が届きます。2022年の時点では罰金は437.25€。高い罰金は支払いたくないですし義務なので、うっかり期限を過ぎないよう気を付けてください。
- オランダの健康保険は、滞在許可発行後に手続きができる。
- 滞在許可から4か月以内の手続きが必須。
- 4か月を過ぎると罰金あり。
保険のない期間は海外旅行保険をかけておく
ちなみに、オランダの健康保険に加入するということは日本の国民健康保険にも入っていないということになります。つまりオランダで滞在許可をもらって健康保険を手続きするまでの数か月間、健康保険に加入していない状態ということに。
この間に大きな病気にかかったり事故に遭うと、全額自己負担になります。下手をすれば数百万円に及ぶことも。
事例を挙げると、
- 断続的な頭痛の後、就寝後呼びかけに応じなくなり救急車で搬送。脳内出血と診断され13日間入院・手術。家族が駆けつける。(フランス)717万円
- ホテルのバスルームで足を滑らせ転倒、頭と腰を強打し救急車で搬送。腰椎圧迫骨折と診断され15日間入院・手術。家族が駆けつける。(ドイツ)351万円
- 高速道路を走行中に車が横転し救急車で搬送。全身強打による多発外傷と診断され家族が駆けつける。(アメリカ)2,113万円
出典元:ソニー損保
恐ろしい金額ですね…。
海外生活を始めたばかりのときは、慣れない生活で身体にも負担がかかります。オランダで保険に加入するまでの間、できれば海外旅行保険に加入しておきましょう。
自分でいくら気を付けていても病気や事故は突然起こります。悲しい留学、駐在経験にならないようできるだけ準備をしておくと◎
低所得者なら国から補助を受けられる
低所得者であれば、オランダ政府からの補助を受けることができます。
具体的には、
資産額:120,020€以下、パートナーがいる場合は合わせて151,767€以下。
上記の内容を満たした上で医療費の受給資格があるなら、補助を受けられるようです。詳しくは下記のリンク先をご確認ください。
注意点
本記事にはオランダ政府のHPやオランダの健康保険組合、日蘭社会保障協定などを読んだ上で個人の理解でまとめました。間違っている部分があるかもしれません。記事を書いた後に制度が変わる可能性もあります。
必ずご自分で最新の情報を確かな情報源から入手してください。特にオランダ政府のウェブサイトはよく読んでおきましょう。
まとめ:自分のケースを事前によく調べよう!
以上、オランダの健康保険についてまとめました。
留学や駐在となると国をまたぐので制度がややこしくなります。特に留学は会社の後ろ盾がなく、手続きか合っているのか不安に感じることもありました。
私が調べた範囲では、
- 基本的にオランダに住む人は全員健康保険に加入する義務あり。
- 留学生と駐在員(+その家族)は加入義務なし。※条件あり
- 4か月以内に健康保険に加入しないと罰金が発生。
- どの国の保険にも入っていないときは海外旅行保険への加入を推奨。
社会保険は生きていくうえで重要な制度です。本記事にはオランダ政府などのリンクを貼っておいたので、必ず最新の情報を適切な情報源から確認するようにしてください。
本記事がこれからオランダに行く人の参考になれば幸いです。
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