本記事では、オランダでの生活費をまとめたいと思います。
私自身オランダ留学が決まったとき、ヨーロッパは日本より物価が高いと聞いたので不安に感じました。できるだけ不安を解消できるよう、オランダの物価や相場も掘り下げつつ、1ヵ月でかかる生活費を紹介します。
- オランダでの1ヵ月の生活にかかる家賃、光熱費、食費、日用品、通信費、保険料、娯楽費
- オランダと日本の物価の比較
結論から言うと、一人暮らしで1ヵ月にかかる生活費は約15万円(1,200€)。本記事ではこの生活費の内訳を詳しく説明していきますね。
これからオランダに住む方が十分に備えてから出発できるよう、本記事が参考になれば幸いです。
オランダに住み始める人必見!
これからオランダで生活を始める方は「オランダ生活を始めるまでの準備一覧【海外赴任・留学・ワーホリ】」の記事もご覧ください。渡航前~渡航後までの準備がまとめてあります。
オランダの消費税
オランダでの生活費をお伝えする前に、生活費に大きく関わってくる「消費税」について簡単に説明しておきます。
オランダの消費税は次の通り。
その他の製品やサービス:21%
日本でも導入されている軽減税率制度が適用されます。軽減税率対象でない場合は21%も消費税がかかることに。
・食料品
・医薬品
・本
・自転車、服、靴の修理
・美容院
・宿泊施設など
もっと具体的に軽減税率対象を知りたい方は、以下のオランダ政府のサイトをご確認ください。
質素に生活していく分には9%の消費税が適用されます。一方で、レストランや衣服、化粧品、家電などは21%の消費税に。もともと物価が高いことも踏まえると、留学や駐在に必要なものは日本から送った方が費用を抑えられるでしょう。
オランダの1ヵ月の生活費
私の実際の生活費はこちら。一人暮らしが1ヵ月にかかる費用です。
カテゴリー | 1ヵ月にかかる費用 |
---|---|
家賃 | 104,000円(810€) |
ガス・水道・電気(見積) | 11,000円(85€) |
食費 | 約28,000円(200€) |
日用品 | 約2,000円(15€) |
通信費(5GB) | 1,300円(10€) |
保険料 | 150円(1.2€) |
娯楽(旅行費) | 月による 13,000円~50,000円(100€~400€) |
娯楽を除いた合計 | 155,000円(1,201€) |
家賃の占める割合が多いですね。
保険料については、大部分が日本の社会保険と会社が支払っている海外旅行保険でカバーされているため、個人で加入している損害賠償保険の料金だけ書きました。オランダで給与を得ている人は、月々100€ほどかかってくるはずです。
以下の項目で各費用を一つずつ説明していきます。なお、以下で紹介するオランダ(アムステルダム)と日本(東京)の物価は、すべてこちらのサイトで比較した結果です。
家賃
私の1ヵ月の家賃は104,000円(810€)
住んでいる家は、一人暮らし用のワンルームアパートです。
- キッチン、シャワー、トイレ付き
- Wi-Fi込み
- 洗濯機は共用
- 家具付き
- オランダで5番目に大きいアイントホーフェンという都市
家賃の810€の内訳は次の通り。
家賃の内訳 | 料金 |
---|---|
基本料金 | 81,000円(630€) |
家具 | 11,000円(85€) |
サービスコスト | 10,000円(80€) |
不動産屋のシステム利用料 | 2,000円(15€) |
家賃の合計 | 104,000円(810€) |
実際には、上記の家賃と共に見積の光熱費も合わせた毎月895€が引き落とされています。
家具は月々85€かかりますが、ベッド、机、クローゼット、ライト、ゴミ箱、オーブンレンジ、冷蔵庫、食器など調理器具一式が備え付けです。
サービスコストは月々80€かかり、共用部分の清掃や光熱費、共用洗濯機の維持、Wi-Fi、ゴミ出しといったサービスの費用としてあてられています。
この条件で見込み光熱費を含めて895€なら、オランダでは安い方だと思います。
東京とアムステルダムの家賃相場は以下の通り。オランダの家賃が高いことが分かります。
東京の物価 | アムステルダムの物価 | 差 | |
---|---|---|---|
アパート (1ベッドルーム、都心) | 145,845円 (1132.823€) | 202,333円 (1571.59€) | +39% |
アパート (1ベッドルーム、都心以外) | 79,938円 (620.91€) | 163,434円 (1269.44€) | +104% |
アパート (3ベッドルーム、都心) | 333,649円 (2591.57€) | 356,153円 (2766.36€) | +7% |
アパート (3ベッドルーム、都心以外) | 177,795円 (1381.00€) | 261,517円 (2031.29€) | +47% |
大学生や単身者は、家賃を抑えるためにルームシェアすることが多いです。ルームシェアなら家賃1000€以下もありますが、それでも日本より高めだと感じます。
オランダは家賃が高いだけでなく、常に物件不足のため家探しが難しいという特徴もあります。家探しについては別の記事がありますので参考にしてください。
条件が合えばオランダ政府から家賃補助を受けられる
収入や貯蓄、家賃などといった条件が合致すれば、オランダ政府から家賃補助を受けられます。家賃補助を申請できるかどうか、まずは以下のサイトでテストしてみてください。
光熱費
私の1ヵ月の光熱費は11,000円(85€)
オランダの光熱費は、毎月見込み光熱費を支払っておき、後で実際に使用した量を計算して差額を支払うもしくは受け取るといった方法で支払います。
食費
私の1ヵ月の食費は約28,000円(200€)
食費に関しては、スーパーマーケットなら日本よりオランダの方が安く、レストランならオランダの方が高くなります。
東京 | アムステルダム | 差 | |
---|---|---|---|
レストラン | 1,000円 (7.77€) | 2,060円 (16.00€) | +106% |
マクドナルド | 700円 (5.44€) | 1,159円 (9.00€) | +66% |
スーパーのパン(500g) | 254円 (1.97€) | 213円 (1.66€) | -16% |
スーパーの卵(12個) | 252円 (1.96€) | 308円 (2.39€) | +22% |
スーパーの牛肉(1kg) | 2,684円 (20.85€) | 2,426円 (18.85€) | -10% |
スーパーのリンゴ(1kg) | 935円 (7.26€) | 353円 (2.74€) | -62% |
スーパーのビール(0.5L) | 313円 (2.43€) | 153円 (1.19€) | -51% |
私の場合、たまにレストランで食事したりテイクアウトをして月200€くらいでした。
日本の調味料といった割高なものをけっこう買うので、パンやフルーツといった安い食材を買って自炊すればもっと抑えられると思います。
オランダで主要なスーパーマーケットは、アルバートハイン(Albert Heijn)とユンボ(Jumbo)です。これらの公式HPを載せておくので、実際の値段や売っているものを確認してみて下さい。
また、スーパーマーケットではなく広場などで開催されるマーケットに行けば、もっと安く野菜や果物を購入できます。
日用品
主要な日用品でいうと、
洗濯洗剤(1L):977円(7.59€)
花粉症の薬(30日分):1,236円(9.6€)
さほど高くないですね。日用品は頻繁に割引や2個買うと1個無料といった売り方がされているので、タイミングを見て購入すると安く抑えられます。
オランダの薬局といえばエトス(Etos)やクルイドファット(Kruidvat)があります。公式HPは以下の通り。日用品やケア用品の実際の値段を確認してみてください。
美容費
化粧品は私は全て日本で買って持っていきました。オランダにもプチプラ化粧品、ブランド化粧品どちらもあり、値段もさほど日本と変わらないように感じます。
ちなみに美容院については、日系美容院でカットカラートリートメントをしたとき160€かかりました。ミディアムヘアです。日本円で2万円越え…。
高額ではありますが、それでも日系美容院もしくはアジア系美容院に行くことをおすすめします。ヨーロッパでは美容師免許がないらしく、ただの一般人が髪を切るだけなのです。髪をすくという文化もありません。
果敢にもオランダの美容院でショートヘアに挑戦した人のツイートを紹介しておきます。海外に住む日本人が震え上がりました…。
海外で日本人以外の美容師にまかせられない説は本当か
海外で日本人以外の美容師にむちゃくちゃにされたって本当か
郷にいれば郷に従え
国が違えば美意識も違う❤️めちゃくちゃかどうかの感覚は個人差ありますが
私はこうなった pic.twitter.com/1b72ej6A55
— きもののtrico(トリコ)🇳🇱オランダ在住 (@trico_kimono) February 4, 2022
ちなみにアジア人男性が海外の美容院に行くと、角刈りにされる確率が高いと聞いたことがあります。
通信費
スマートフォンの通信費は月々10€。
私はLEBARAという会社の5GBのプランを契約しています。他のGBの場合は以下の料金です。
上記のデータ容量に加えて、LEBARA間の通話無料、通話150分、SMS150テキスト、EU圏内ならどこでも使用可能という内容です。
日本の格安SIMと同じくらいの値段ですね。オランダの携帯キャリアについては以下の記事に詳しくまとめましたので、参考にして下さい。
保険料
オランダに住む人は全員、オランダの保険会社が提供する健康保険へ加入しなければなりません。日本で国民皆保険制度で保険料を払っていたのと同じですね。オランダでは民間の保険会社が提供している健康保険を自分で選び、自分で加入手続きする必要があります。
ただし、留学生や海外駐在員については加入が免除されています(※条件あり)。
オランダの健康保険については以下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてください。
私は留学生に相当するのでオランダの健康保険には加入していませんが、以下の比較サイトを使って調べたところ、オランダの健康保険は月々100€前後かかるようです。
留学生はオランダの健康保険に加入できませんが、オランダの大学からは留学生でも加入できるAON students insurance package(Complete+ package)を勧められました。日本からでもインターネットで簡単に加入できます。オランダの大学に来る留学生は、だいたいこの保険を勧められるのではないでしょうか。
医療費の他に損害賠償、旅行時の荷物、歯の治療がカバーされていて安心できる保険内容かと思います。
私の場合は所属している日本の会社が日本の海外保険をかけてくれたので、内容が重複するAONの保険には加入しませんでした。
- 会社がかけている海外旅行保険で病気、入院、死亡などをカバー。ヨーロッパ内の旅行中も適用される。
- 海外旅行保険でカバーされない個人賠償責任保険は個人で加入。
家の火災や損害に備える保険には今のところ加入していませんが、入っておいた方が良いと思います。何かトラブルが起こったときに個人の支払い能力を超えてしまい、生活が成り立たなくなる恐れがあるものには、保険をかけておきましょう。
娯楽(旅行費)
せっかくヨーロッパに住むなら、ヨーロッパ旅行やイベントを楽しみたいですよね。
ただし、日本よりもレストランや電車賃、ガソリン代、美術館などの入場料は高いです。
参考までに、私がオランダのアイントホーフェンから旅行したときにかかった費用を載せておきます。私の旅行は、①自分の車を持っていないので電車かバスで移動、②格安バスも利用、③宿泊は基本的にドミトリー、といった節約重視のスタイルです。
オランダ国内旅行の場合
交通費:電車利用 往復 25.8€(約3,300円)
上記の交通費は、土日及び平日のオフピークなら40%OFFになるサブスクリプションに加入して40%OFFが適用された後の料金になります。
オランダ国内旅行をたくさんするなら、土日40%OFFのサブスクリプション契約とオランダのミュージアムパスがおすすめです。節約しながら楽しむことができます。
オランダからヨーロッパ旅行する場合
交通費:電車利用 往復 64.8€(約8,300円)
食費:23.8€(約3,000円)
合計:88.6€(約11,500円)
交通費:格安バス利用 往復 69.97€(約9,000円)
宿代:ドミトリー 2泊 109.64€(約14,000円)
食費:3日分 97.2€(約12,500円)
観光(美術館など):43€(約5,500円)
合計:319.81€(約41,000円)
ドイツの西側なら、オランダ国内旅行と同じような感覚で行くことができます。
フランスへもバスや電車で行けてしまいます。格安バスを使えば片道7時間かかりますが、費用を抑えて行けるのも嬉しいポイント。日本からフランスに行く場合は航空券の時点でかなり費用がかかるので、ヨーロッパに住んでいるときに色々なところへ行っておきたいですね。
ちなみに、私はFlixbusという格安高速バスを使って節約することが多いです。Flixbusの概要、使い方、メリットは以下の記事にまとめたので参考にしてください。
まとめ:日本よりも生活費はかかる
以上、オランダに住んだ実体験と物価情報から、オランダでの1ヵ月の生活費をまとめました。
スーパーマーケットでの買い物や生活必需品といった変動費は安く抑えようと思えば抑えられますが、家賃がどうしても高くなるので、全体でみると日本よりも生活費がかかるといった印象です。
また、家電などはできるだけ日本で買って送っておきたいですね。
これからオランダに住む方の参考になれば幸いです。
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