世界の美術館の中で一番有名といっても過言ではないルーブル美術館。
モナリザやサモトラケのニケ、ミロのヴィーナスなど、芸術に詳しくない人でも知っているような有名な作品がたくさん展示されています。
私自身あまり芸術に詳しくありませんが、ルーブル美術館は以下の理由でとても楽しむことができました。
- 有名な絵画、画家の作品がたくさんある
- ルーブル美術館の建物自体も見ごたえがある
- オーディオガイドの説明がおもしろい
- オーディオガイドが見学ルートを作成してくれて、漏れなく鑑賞できた
美術館が広いこともあって5時間も滞在したものの、色々な作品とその背景に物語があり飽きませんでした。パリに旅行するならぜひルーブル美術館に行ってみてほしいと思います。
ただ、あまりにも広く展示数が多いので、無計画で鑑賞すると観たい作品を見逃してしまうことも。
本記事には、ルーブル美術館の基本情報からオススメの鑑賞方法までまとめたので、ルーブル美術館を回るプランを立てるときに参考にして下さい。
ルーブル美術館の基本情報
ルーブル美術館はフランスの国立美術館。世界最大級の規模で、世界でもっとも入場者数が多い美術館です。
紀元前から19世紀ごろの数多くの芸術品が保管されていることに加えて、ルーブル美術館の建物自体が城や要塞、宮殿として使用されてきた歴史があるため、建築物としての見どころもあります。
ルーブル美術館の場所
ルーブル美術館はパリの中心で、セーヌ川の隣にあります。
バス停もメトロの駅も近くにあり、アクセス方法で困ることはありません。
Googleマップでルーブル美術館を行き先に指定すれば色々な公共交通機関を提示してくれますので、自分の旅行プランに合わせて選びましょう。
ルーブル美術館の営業時間&料金
ルーブル美術館の営業時間と料金は以下の通り。
AM9時ーPM6時(火曜以外)
火曜休み
料金
チケット 18歳以上17€、18歳以下無料
オーディオガイド 5€
ときどき営業時間の延長や無料開放日があるので、行く前に公式HPをご確認下さい。
無料開放日はかなり混み合うそうなので、できれば避けることをおすすめします。また、火曜は定休日です。旅行プランを組む際にはご注意ください。
チケット購入~入場までの流れ
チケットの購入&予約
チケットは当日買うこともできるようですが、枚数に限りがあります。確実に入場できるよう、オンラインで事前に購入しておきましょう。
チケットは入場時間帯を指定して購入することになります。直前にチケットを購入しようとすると希望の時間帯が完売していることがあるので、早めの購入をおすすめします。
チケットは公式HPから購入できます。
また、ルーブル美術館は「パリ・ミュージアム・パス」を使うことも可能です。パリ・ミュージアム・パスは、パリ市内と郊外にある約60個の美術館に入場できるフリーパス。
有名な観光地を挙げると、以下の場所で使用することができます。
凱旋門(13€)
ヴェルサイユ宮殿(18€)
オルセー美術館(16€)
オランジュリー美術館(12.5€)
サント・シャペル教会(11.5€)
…
ミュージアムパス自体は以下の料金ですので、うまく使えばお得になります。
2日用パス(52€)
4日用パス(66€)
6日用パス(78€)
ミュージアムパスを使用する場合でも、ルーブル美術館の公式HPから入場時間の予約が必要です。チケット購入のページから入場時間が予約できますので、必ず予約してから行きましょう。
ルーブル美術館の入口
ルーブル美術館の前にある大きなピラミッドが入口です。
入場後には持ち物検査があり、空港のように手荷物をスキャンします。大きなバッグやスーツケースは持ち込めず、入場自体が拒否されてしまいます。前もって近くのロッカーに入れてから行きましょう。
手荷物はロッカーへ
大きなピラミッドの中には、インフォメーションセンターやレストラン、ロッカールームがあります。手荷物を入れて、快適に作品を鑑賞するためのロッカーです。
以下の理由から、カメラとスマートフォン以外はロッカーに入れてしまっても良いと思います。
・飲み物の持ち込みは禁止
・美術館が広くてたくさん歩く
・ロッカーは無料で、途中で荷物を取りに戻ることもできる
ルーブル美術館への入場方法
ルーブル美術館はリシュリュー(Richelieu)、シュリー(Sully)、ドゥノン(Denon)の3つの区画からできています。入口は3つに分かれていますが中では繋がっているので、空いている入口から入りましょう。
チケットをスキャンして美術館の中に入ります。
公式HPから購入した時間指定のチケットは、一度出て再入場するときも問題なく使用できました。レストランやカフェは美術館の外にあるので、再入場できるのは嬉しいですね。
オーディオガイドがおすすめ
ルーブル美術館を回るなら、オーディオガイドの利用をおすすめします。日本語にもちゃんと対応しています。
芸術に詳しいわけでなければ、有名な絵画を観ても「きれいだなー」と思いながら写真を撮って終わりになりがちです。
オーディオガイドで芸術品の説明を聞くと、芸術家の背景、描くに至った理由、絵画に込められたメッセージ、歴史的背景、当時の芸術のトレンドなどを深く知ることができます。
また、ルーブル美術館のオーディオガイドはニンテンドー3DSで作り込まれていて、芸術品の解説の他に館内マップ、見学ルート、現在地、館内レストランまで分かるようになっていました。
特に、見学ルートが使えるのが便利。あらかじめ「有名な芸術品を回るルート」「さっと見て回るルート」などが用意されています。
さらに、自分で見学ルートを作成することもできます。自分が観たい有名な作品を選択すると、自動でルートを作成してくれました。
私はこのオーディオガイドで見学ルートを作成し、観たい作品を全てみることができました。
マップの見方に少しコツがいるので、google mapを読むのが苦手な方は難しいかもしれません。私自身は地図を読むのが得意なのですが、このオーディオガイドのマップは何度か読み間違えてしまいました。マップ上に現在地を表示してくれるので、慣れれば便利に使えます。
オーディオガイドは5€でレンタルできます。公式HPから事前に予約可能です。
ルーブル美術館の回り方
ルーブル美術館を回るなら、上で述べたようにオーディオガイドの利用がおすすめです。オーディオガイドをレンタルしないのであれば、観たい作品をあらかじめ決めておきましょう。
美術館がかなり広いので、目的の作品を目指して歩かないと見逃してしまいます。
有名な作品とフロアマップは下記のリンク先にまとめられていますので、プラン作成の参考になると思います。時期によっては展示されていない作品もあるので注意してください。
ルーブル美術館の公式HPにも有名な作品を観るモデルコースが紹介されているので、こちらも参考になります。1時間半で見て回れるコースです。
ルーブル美術館の感想
ルーブル美術館は非常に楽しめました!芸術に関しては素人ですが、オーディオガイドを聞いて面白いと感じた作品を紹介します。
サモトラケのニケ
有名な彫刻ですね!なんと紀元前2世紀に造られた彫刻だそうです。勝利の女神ニケが船のへさきに降り立った様子が彫刻されています。
ルーブル美術館の階段の踊り場に展示されているのも面白いですね。階段の先で自然光に照らされる姿は神々しくもあります。
実際にみると、凛とした立ち姿に今にも動き出しそうな衣服のひだ、これが紀元前2世紀につくられたとは驚きです!
マリー・ド・メディシスの生涯(画家:ピーテル・パウル・ルーベンス)
バロック美術を代表するルーベンスの作品。ルーベンスは「フランダースの犬」に出てきたことでも有名ですね。
写真にあるように大きな絵画が部屋一面に並べられており、その枚数なんと21枚!そしてこれらの絵は、フランス王アンリ4世妃のマリー・ド・メディシスの一生が連作として描かれています。
これほどの大きな絵21枚に自分の歴史を描かせるとは、富豪のやることはダイナミックですね…。
マルリーの馬(作者:ギヨーム・クストゥ1世)
ルーブル美術館のリシュリュー区間に現れる中庭のような空間。たくさんの彫刻が展示されていて、その中に有名なマルリーの馬があります。
建物の中ですが、十分な光が差し込んでいて外に出たような感覚!ルーブル美術館は展示品のレベルが高いことに加えて、展示方法も工夫されていて面白いです。
メデューズ号の筏(画家:テオドール・ジェリコー)
ジェリコーによる大型の絵画です。これほど大きい絵画の場合は基本的に注文を受けてから描かれるそうですが、ジェリコーは注文なしに描きました。
メデューズ号の筏は実際にフランスで起こった海難事故をモデルに描かれています。13日間遭難した末に飢餓や食人などの壮絶な状況になりながらも、数人が生還したのだとか。この海難事故自体が王政の無能ぶりによるものだったため、この事故をモデルにしたメデューズ号の筏は王政を非難しているとされ、良くも悪くも関心を集めたそうです。
民衆を導く自由の女神(画家:ウジェーヌ・ドラクロワ)
フランス7月革命を題材にした大型の絵画。誰でも一度は教科書などで見たことがあるのではないでしょうか。フランス国旗を掲げる女性が印象的ですね。
女性の背後は後光が射すように明るく照らされており、横顔がくっきりとまるでメダル硬貨のように描かれています、とオーディオガイドが言っていました。
ナポレオンの戴冠式(画家: ジャック=ルイ・ダヴィッド)
ナポレオンから直接依頼があって描かれた「ナポレオンの戴冠式」。
この戴冠式が実際にあったとき、ナポレオンの母はナポレオンの政策?に抗議する意味で欠席したとのこと。にも関わらず、絵画の中にはナポレオンの母の姿が描かれています。母の抗議を認めないという意図で、絵画の中に母の姿を描くように画家に伝えられたためだと聞きました。
最初は、ナポレオン自身が自分に戴冠する絵だったそうですが、皇妃に戴冠する絵に途中で書き換えられたそうです。
モナ・リザ(画家:レオナルド・ダ・ヴィンチ)
ルーブル美術館で一番有名なモナ・リザ。説明不要なほど有名かと思います。とにかく大人気で、写真を撮るための行列ができていました。
カナの婚礼(画家: パオロ・ヴェロネーゼ)
ルーブル美術館の中でもっとも大きい絵画です。モナ・リザの向かいに展示されています。
イエス・キリストが最初に奇跡を起こした場面が描かれています。
イエス・キリストに「ワインがありません!」と伝えたら、「水瓶に水を入れておきなさい」と言われ、その通りに水を汲んでおいたら水がワインに変わっていたのだとか。絵画の右下に水瓶からワインが出ているところが描かれています。
アモルの接吻で蘇るプシュケ(作者:アントニオ・カノーヴァ)
羽が生えているのがアモル、口づけを受けているのがプシュケです。
プシュケは「開けちゃだめだよ」と言われて渡された瓶を開けてしまい仮死状態に。そのプシュケをアモルが矢で起こし、口づけをすることで目覚めさせようとしているシーンです。半身が死にかけているプシュケと、生き返らせるために今まさに口づけしようとしているアモル。2人の間が絶妙で緊迫感を感じますね!
彫刻の裏側にはちゃんと瓶や矢があり、物語があることを感じさせてくれます。
ミロのヴィーナス
紀元前2世紀に造られた彫刻で、ミロという島の農地から発掘されたので「ミロのヴィーナス」と呼ばれています。両腕が失われており、それがかえって想像を膨らませて魅力的です。
太陽の光を受けてとっても神々しいお姿。
アポロンの間
ルーブル美術館は建物の内装も立派です。宮殿のようですね。
こんなに広くてたくさんの絵画と彫刻があった上に、建物の内装まで見どころがあって17€でいいの?と思ってしまいます。
エジプトコレクション
エジプトの展示物も。ミイラなんかも展示してありました。
ルーブル美術館の周辺情報
オルセー美術館
ルーブル美術館から徒歩12分のところに、オルセー美術館があります。オルセー美術館はルーブル美術館よりも後の時代の絵画が多く展示されており、ゴッホやルノワール、モネ、マネといった印象派の作品が多いです。
サントゥスタッシュ教会
ルーブル美術館から徒歩10分のところに、サントゥスタッシュ教会があります。カトリック系の教会で、きれいな大きい教会です。無料で拝観できるので、ルーブル美術館を訪れる前に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
まとめ:パリに来たならぜひ訪れてほしい美術館
いかがでしたでしょうか。本記事の内容をまとめると、
・広すぎるので前もって観たい作品とルートを考えておくと◎
・オーディオガイドがおすすめ
芸術品には色々な物語や歴史的背景があるのがとっても面白かったです。
この記事にはオーディオガイドの説明と記憶をたよりに私なりの感想を記載しました。芸術品にはいろんな解釈があるので、ぜひ実際に見たうえで自分の感性で解釈してみてください。
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