海外で使うクレジットカード選びで重視したいのが、海外利用手数料。
海外事務手数料によっては、15万円分のお買い物をしたとき、約2,000円も差が出ることも。
毎日外貨を使う海外赴任や海外留学なら、海外利用手数料が安いカードは必須です。海外旅行でも金額が大きいなら気をつけたいですね。
結論から言うと、
- 日本のクレジットカードで海外事務手数料が安いのは、エポスカードと楽天カード
- 海外のデビットカードで海外事務手数料が安いのは、WISEデビットカード
海外に長期滞在する人は、手数料が圧倒的に安いWISEがおすすめです。海外発のカードなので、海外での利用時にはじかれることもありません。
海外発のカードが不安な人、短期間の海外旅行に行くだけの人は、エポスカードまたは楽天カードを選びましょう。
本記事では、クレジットカードの海外利用手数料について解説します。海外でクレジットカードを使うときの注意点も紹介するので、自分に合ったクレジットカードを作成して備えましょう。
※本文中でエポスカードの海外旅行保険を自動付帯と紹介していますが、2023年10月1日からは利用付帯となります。
クレジットカードの海外利用手数料
クレジットカードの海外利用手数料の仕組み
海外でクレジットカードを使うときに注意しておきたいのが手数料。
海外利用時の手数料は、「国際ブランドが定める基準レート」と「カード会社が設定した海外事務手数料」から計算できます。
基準レートは、VisaやMastercardが設定している為替レートです。VisaもMastercardもほとんど差がないので、気にする必要はありません。
無駄な手数料を支払わないようにするには、できるだけ海外事務手数料が低く設定されているクレカを選びましょう。
各クレジットカードの海外利用手数料の比較表
9つのクレジットカードの海外事務手数料を比較しました。
Visa | MasterCard | JCB | American Express | 銀聯 | |
---|---|---|---|---|---|
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.60% | 2.00% | – |
エポスカード | 1.63% | – | – | – | – |
三井住友カード | 2.20% | 2.20% | – | – | 2.50% |
三菱UFJカード | 2.20% | 2.20% | 2.04% | – | – |
dカード | 2.16% | 2.16% | – | – | – |
セゾンカード | 2.20% | 2.20% | 2.15% | 2.00% | – |
オリコカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
PayPayカード (旧Yahoo!Japanカード) | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
日本のクレジットカードは、海外事務手数料が1.6~2.5%に設定されていることが多いです。JCBは1.60%のクレカが多いですが、海外ではJCBの取り扱いが少なく、支払いできなくて困ることも。
VisaやMasterCardでの手数料が安い楽天カードかエポスカード がおすすめです。
また、チェックしておきたいのが海外発のカード!特に、カードの事務手数料や海外送金手数料が安くて人気のWISEはチェックしておきましょう。
WISEのデビットカードの手数料は、2023年8月時点では以下の通り。
- ユーロ 0.61%
- アメリカドル 0.62%
- イギリスポンド 0.62%
- 人民元 1.18%
日本のクレジットカードに比べるとWISEデビットカードは圧倒的に安いですね。
例えば、為替レートが140円/ユーロで1,000ユーロの買い物をしたとき、
- 海外利用手数料0.68%(WISEのデビットカード)…手数料854円
- 海外利用手数料1.63%(楽天カード、エポスカードなど)…手数料2,282円
- 海外利用手数料2.20%(三井住友カードなど)…手数料3,080円
手数料0.68%と2.20%では、1,000ユーロの買い物で手数料が約2,000円の差になります。
海外に長期間滞在したり、たくさんお金を使う予定の人は、WISEのデビットカードを作っておくのがおすすめです。
どの国際ブランド(visaやMastercardなど)を選ぶべき?
クレジットカードには、VisaやMastercardなど色々な国際ブランドがあります。世界的にみると、それぞれの国際ブランドのシェアは以下の通り。
国際ブランド | シェア |
---|---|
Visa | 58% |
MasterCard | 26% |
中国銀聯 | 10% |
アメックス | 3% |
JCB | 1% |
ダイナースクラブ | 1% |
VisaとMasterCardが約8割を占めています。海外利用手数料だけ見るとJCBのカードが安くて魅力的ですが、海外でのシェアは1%程度なので、使えなくて困ることが多いです。
海外で使うクレジットカードは、VisaかMastercardにしましょう。それぞれ1枚ずつ用意しておくと安心です。
また、中国は中国銀聯のシェアが大きいです。中国に行くなら、中国銀聯のカードを持っておくと支払いに困りません。
海外利用におすすめのクレジットカード3選
海外でメインで使うクレジットカードには、以下の条件をクリアしているカードを選びましょう。
- Visa、MasterCardがおすすめ。
- 海外事務手数料が安いカード。
- 海外旅行保険がついていると安心。
- 不正利用検知システムにはじかれない。
この条件でおすすめなのは以下の3つです。
WISEデビットカード | エポスカード | 楽天カード | |
---|---|---|---|
カード | |||
年会費 | 無料 ※初回発行手数料1,200円 | 無料 | 無料 |
ポイント 還元率 | 0% | 0.5% | 1% |
海外利用 手数料 | 0.68%~ | 1.63% | 1.63% |
国際 ブランド | Mastercard | Visa | Visa Mastercard JCB American Express |
海外旅行 保険 | なし | あり(条件つき) | あり(条件つき) |
特徴 | ・海外利用手数料が最安! ・海外利用ではじかれない | ・海外旅行保険の条件を クリアしやすい | ・ポイント還元率が高い |
公式サイト | WISEデビットカード | エポスカード | 楽天カード |
1位:WISEのデビットカード
一番お得なのがWISEのデビットカード!海外利用手数料が他のクレジットカードと比較して格段に安いです。
名称 | WISEデビットカード |
年会費 | 無料 ※初回発行手数料1,200円 |
ポイント還元率 | 0% |
海外利用手数料 | 0.68%~ |
国際ブランド | Mastercard |
海外旅行保険 | なし |
- 海外利用手数料が一番安い!
- 海外利用でも問題なく使える。
- 日本の銀行と渡航先の銀行のどちらからでもチャージして使えるので、海外移住や海外赴任などの長期滞在にも◎
- 月2回・3万円以下ならATMから現地通貨を無料で引き出せる。海外出張や海外旅行のときに便利。
WISEはあまり聞きなじみがないかもしれませんが、海外送金手数料が安いため海外在住日本人に人気のサービスです。
海外に住むなら、
- WISEでお得に海外送金
- WISEデビットカードでお得&便利にショッピング
このどちらも使いこなせると◎
ただし、WISEのデビットカードは初回発行手数料が1,200円かかります。海外旅行で数日間使うだけなら、発行手数料無料で手数料も安めのエポスカードや楽天カードがおすすめです。
WISEデビットカードを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
WISEデビットカードを作るには、まずWISEアカウントの登録が必要です。登録方法を解説した以下の記事も参考にしてください。
2位:エポスカード
名称 | エポスカード |
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
海外利用手数料 | 1.63% |
国際ブランド | Visa |
海外旅行保険 | あり(条件つき) |
- 海外旅行保険の付帯条件がクリアしやすい
- 海外で紛失・盗難にあっても24時間対応の電話窓口が各国にあって安心。不正利用も全額補償してくれる。
- 日本のクレジットカードの中では、海外利用手数料が1.63%と安い。
- 日本のクレジットカードの中では、不正検知システムにはじかれにくく海外で使いやすい。
エポスカードは海外利用に強く、海外旅行好きに人気のカードです。
特徴的なのが、エポスカードの海外旅行保険。海外旅行のツアー料金や航空券、空港までの電車賃、海外での電車賃などをエポスカードで支払うと、海外旅行保険が付帯します。※2023年10月以降の出国から適用
海外旅行保険の補償内容は以下の通り。
傷害死亡・後遺障害:最高3,000万円
傷害治療費用:200万円
疾病治療費用:270万円
賠償責任:3,000万円
救援者費用 :100万円
携行品損害(免責3,000円):20万円
カードの発行手数料が無料で、海外旅行保険の条件もクリアしやすいのに、これほど補償がつくクレジットカードは他にありません。
海外に渡航すると、以下のようなトラブルに巻き込まれやすいです。
- 渡航時の飛行機でロストバゲージ
- 観光地でスリに遭う
- 環境の変化による体調不良
- 交通ルールが分からず事故に巻き込まれる
物をなくしたり壊したときも補償してもらえるのが嬉しいですね。
エポスカードは、海外利用手数料が低くおまけに保険もつけられるので、海外に行くなら持っておいて損はありません。
3位:楽天カード
名称 | 楽天カード |
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 1% |
海外利用手数料 | 1.63% |
国際ブランド | Visa Mastercard JCB American Express |
海外旅行保険 | あり |
- 日本のクレジットカードの中では、海外利用手数料が1.63%と安い。
- ポイント還元率が1%と高い。
楽天カードはポイント還元率が1%と高いのが嬉しいポイント!海外利用手数料が1.63%かかってもポイントで1%返ってくるので、実質手数料は0.63%になります。
楽天カードにも海外旅行保険はありますが、「募集型企画旅行(旅行ツアーなど)の料金を楽天で支払っていること」が条件になります。エポスカードは交通費の支払いでもOKなのと比べると、楽天カードはやや条件をクリアしにくいです。
海外でクレジットカードを使うときの注意点
海外で利用することをカード会社に伝えておく
海外からクレジットカードを利用すると、不正利用検知システムが作動して支払いできないことがあります。
不正利用検知システムにはじかれないよう、カード会社に電話していつからいつまで海外で利用すると伝えておきましょう。
そうすると、カード会社は海外での利用制限をゆるめてくれます。
利用可能額を把握しておく
海外に持っていくクレジットカードは、利用額を把握しておきましょう。海外旅行や海外赴任など、いつもと違う環境では思ったよりお金を使う機会が多いです。ショッピング利用可能額を上回らないよう、前もって調べておきましょう。
また、キャッシング機能を使って現地で現金を用意したい人は、キャッシング利用可能額とキャッシング金利も確認しておくことをおすすめします。
支払は現地通貨が吉
海外でクレジットカードを使うと「支払いは円?それとも現地通貨?」と聞かれることがあります。このときは必ず現地通貨で支払うようにしてください。
現地通貨を選択した場合は、カードが定める基準レートを使って支払額が計算されます。正式に定められたレートで、透明性が高いです。
一方、円での支払いを選択すると、お店が設定した為替レートで換算されます。不透明で割高になる可能性があるのです。
三井住友カードのサイトにも以下の記載があります。
日本円を指定した場合、その場で支払金額を確定できるメリットがありますが、お店が決定した為替レートで日本円に換算されることから、弊社で日本円に換算する場合に比べて割高になる可能性がありますのでご注意ください。
出典元:三井住友カード 海外でのご利用にあたって
支払い通貨を選択できるときは、現地通貨を選ぶようにしましょう。
スキミング対策をしよう
海外では日本国内よりもスキミング被害が多いです。
クレジットカードなどの磁気情報を盗み取ること。カード情報を読み取られると、カード自体を盗まれなくても不正利用の被害に遭う可能性がある。
非接触型のクレジットカードは、カードに触れなくても情報を抜き取られてしまいます。
レストランで食事をしている間に、後ろに置いていたカバンの中にあるクレジットカードの情報を抜き取られた、という被害例があります。カバンの上からスキミングできてしまうため、どこで被害にあったか分からないくらい自然に抜き取られてしまうのです。
電波を遮断してスキミングを防止するケースなどで対策するようにしましょう。
まとめ
以上、海外手数料が安いクレジットカードを解説しました。
しっかり準備して、安心して海外でクレジットカードを使いましょう。
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