海外赴任が決まったら、早めに準備しておきたいのがクレジットカード。
よく考えずに海外でクレジットカードを使うと、
- 気づかないうちにクレカの海外利用手数料で損していた…
- 不正利用検知システムにはじかれて支払いができない
なんてことも。本記事には実際にヨーロッパに住んでいる筆者が、本当におすすめしたいクレジットカードをまとめました。
結論からいうと、
- 渡航先で日常使いするクレカは、海外利用手数料が低い&不正利用検知システムにはじかれないカードが正解
- 海外利用手数料が最安&海外利用もスムーズで最強 = WISEのデビットカード
- 日本のクレジットカードで海外利用手数料が安い = エポスカード、楽天カード
がおすすめです。WISEのデビットカードは一番お得に使える上、日本の銀行からも赴任先の銀行からもチャージできて便利なので、メインカードに向いています。ただしデメリットもあるので、エポスカードや楽天カードを予備として使うと◎
手続きを忘れて渡航すると、電話でのお問い合わせができなかったりと面倒です。しっかり準備してから渡航しましょう!
さっそくおすすめのクレジットカードを知りたい方は以下をクリック。
海外赴任先で使うクレジットカードの選び方
まず、海外赴任用のクレジットカードを選ぶ3つのポイントを知っておきましょう。
- クレジットカードの国際ブランドの選び方
- 海外利用手数料について知る
- 海外旅行保険
それぞれ解説していきますね。
どの国際ブランドを選ぶべき?
クレジットカードには、VisaやMastercardなど色々な国際ブランドがあります。世界的にみると、それぞれの国際ブランドのシェアは以下の通り。
国際ブランド | シェア |
---|---|
Visa | 58% |
MasterCard | 26% |
中国銀聯 | 10% |
アメックス | 3% |
JCB | 1% |
ダイナースクラブ | 1% |
VisaとMasterCardが約8割を占めています。どちらも対応できるよう、最低でも1枚ずつ用意しておくと◎
海外利用時の手数料で比較
海外でクレジットカードを使うときに注意しておきたいのが手数料。
海外利用時の手数料は、「国際ブランドが定める基準レート」と「カード会社が設定した海外事務手数料」から計算できます。
無駄な手数料を支払わなくて済むように、できるだけ海外事務手数料が低く設定されているカードを使いたいですね。
各クレジットカードの海外事務手数料は以下の通り。
Visa | MasterCard | JCB | American Express | 銀聯 | |
---|---|---|---|---|---|
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.60% | 2.00% | – |
エポスカード | 1.63% | – | – | – | – |
三井住友カード | 2.20% | 2.20% | – | – | 2.50% |
イオンカード | 1.60% | 1.60% | 1.60% | – | – |
三菱UFJカード | 2.20% | 2.20% | 2.04% | – | – |
dカード | 2.20% | 2.20% | – | – | – |
セゾンカード | 2.20% | 2.20% | 2.15% | 2.00% | – |
オリコカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
PayPayカード (旧Yahoo!Japanカード) | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
日本のクレジットカードは、海外事務手数料が1.6~2.5%に設定されていることが多いです。
一方、WISEのデビットカードの手数料は、2023年1月時点では
- ユーロ 0.68%
- アメリカドル 0.71%
- イギリスポンド 0.68%
- 人民元 1.27%
でした。
日本のクレジットカードに比べるとWISEデビットカードは圧倒的に安いですね!
例えば、為替レートが140円/ユーロで1,000ユーロの買い物をしたとき、
- 海外利用手数料0.68%(WISEのデビットカード)…手数料952円
- 海外利用手数料1.63%(楽天カード、エポスカードなど)…手数料2,282円
- 海外利用手数料2.20%(三井住友カードなど)…手数料3,080円
1,000ユーロの買い物で手数料が約2,000円の差になります。
赴任先の国で日常使いするクレジットカードは、海外利用手数料が低いものを選びましょう。
海外旅行保険で比較する
クレジットカードを選ぶときは、海外旅行保険の内容もチェックしておきましょう。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、渡航後3か月以内しか保証されないケースが多いです。海外赴任の期間をすべてカバーはできませんが、渡航したてのころは慣れないため交通事故や盗難にあってしまうこともあるので、最初の3カ月間だけでもカバーされると安心です。
海外赴任中は手厚くカバーされる海外旅行保険などをつけるべきですが、クレジットカードの海外旅行保険もあれば安心と思っておきましょう。
渡航時にロストバゲージしてしまったり物を壊してしまっても、補償してもらえるので◎
海外赴任におすすめのクレジットカード3選
上で述べた内容をまとめると、赴任先に持っていくべきクレジットカードの条件は以下の通り。
- Visa、MasterCardがおすすめ。
- 海外事務手数料が安いカード。
- 海外旅行保険がついていると安心。
- 不正利用検知システムにはじかれない。
この条件でおすすめするのは以下の3つです。
WISEデビットカード | エポスカード | 楽天カード | |
---|---|---|---|
カード | ![]() | ![]() | |
年会費 | 無料 ※初回発行手数料1,200円 | 無料 | 無料 |
ポイント 還元率 | 0% | 0.5% | 1% |
海外利用 手数料 | 0.68%~ | 1.63% | 1.63% |
国際 ブランド | Mastercard | Visa | Visa Mastercard JCB American Express |
海外旅行 保険 | なし | あり(自動付帯) | あり(条件つき) |
特徴 | ・海外利用手数料が最安! ・海外利用ではじかれない | ・海外旅行保険が自動付帯 | ・ポイント還元率が高い |
公式サイト | WISEデビットカード | エポスカード![]() | 楽天カード |
1位:WISEのデビットカード
一番お得なのがWISEのデビットカード!海外利用手数料が他のクレジットカードと比較して格段に安いです。
名称 | WISEデビットカード |
年会費 | 無料 ※初回発行手数料1,200円 |
ポイント還元率 | 0% |
海外利用手数料 | 0.68%~ |
国際ブランド | Mastercard |
海外旅行保険 | なし |
- 海外利用手数料が一番安い!
- 海外利用でも問題なく使える。
- 日本の銀行と渡航先の銀行のどちらからでもチャージして使える。
- 月2回・3万円以下ならATMから現地通貨を無料で引き出せる。赴任先から別の国に出張したり旅行したときに便利!
WISEはあまり聞きなじみがないかもしれませんが、海外送金手数料が安く海外在住日本人に人気のサービスです。
海外に住むなら、WISEでお得に海外送金 + WISEデビットカードでお得&便利にショッピング、どちらも使いこなせると◎
WISEデビットカードを作るには、まずWISEアカウントの登録が必要です。登録方法を解説した以下の記事も参考にしてください。
2位:エポスカード
名称 | エポスカード ![]() |
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
海外利用手数料 | 1.63% |
国際ブランド | Visa |
海外旅行保険 | あり(自動付帯) |
- 海外旅行保険が自動付帯!(※カバーされるのは渡航後90日間のみ)
- 海外で紛失・盗難にあっても24時間対応の電話窓口が各国にあって安心。不正利用も全額補償してくれる。
- 日本のクレジットカードの中では、海外利用手数料が1.63%と安い。
- 日本のクレジットカードの中では、不正検知システムにはじかれにくく海外で使いやすい。
エポスカードは海外利用に強く、海外旅行好きに人気のカードです。
特徴的なのが、持っているだけで海外旅行保険の補償を受けられる自動付帯システム。全くエポスカードを使っていなくても補償してもらえるんです!
海外旅行保険の補償内容は以下の通り。
傷害死亡・後遺障害:最高500万円
傷害治療費用:200万円
疾病治療費用:270万円
賠償責任:2,000万円
救援者費用 :100万円
携行品損害(免責3,000円):20万円
でも渡航してから90日間しかカバーされないなら、海外赴任じゃ使えないのでは?
と感じるかもしれません。が、渡航直後は以下のようなトラブルに巻き込まれやすいです。
- 渡航時の飛行機でロストバゲージ
- 環境の変化による体調不良
- 交通ルールが分からず事故に巻き込まれやすい
物をなくしたり壊したときも補償してもらえるのが嬉しいですね。もちろん海外駐在期間をすべてカバーする保険には別で加入しておく必要がありますが、渡航後90日間だけでもエポスカードに補償してもらえるのはありがたいです。
3位:楽天カード
名称 | 楽天カード |
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 1% |
海外利用手数料 | 1.63% |
国際ブランド | Visa Mastercard JCB American Express |
海外旅行保険 | あり |
- 日本のクレジットカードの中では、海外利用手数料が1.63%と安い。
- ポイント還元率が1%と高い。
楽天カードにも海外旅行保険はありますが、「募集型企画旅行(旅行ツアーなど)の料金を楽天で支払っていること」が条件になります。海外赴任だと条件を満たせないので、海外旅行保険はつかないと思っておきましょう。
楽天カードはポイント還元率が1%と高いのが嬉しいポイント!海外に住んでいてもちゃんともらえます。ただし、ポイントの有効期限は1年なので気をつけてください。
私は日本に住んでいる友達や家族にプレゼントを贈るとき、楽天市場でポイントを使って購入し送っていました。
海外赴任前にやるべき4つの準備
WEB明細書サービスの登録&アプリの利用
赴任先でも使用するクレジットカードは、WEB明細書サービスに登録しておきましょう。WEB明細書サービスとは、紙の明細書のかわりにメールで利用料金が通知されるサービスです。クレジットカードのウェブサイトやアプリから手続きできます。
また、クレジットカードをアプリと連携しておくと、利用明細をアプリ上でチェックできて便利です。
住所を変更しておく
クレジットカードに登録している住所を引き払うなら、住所変更しましょう。
- 登録している住所に家族が残る ⇒ 住所変更の必要なし。
- 住所を引き払う ⇒ 実家などに住所変更しておく。もしくは海外に郵送可能か問い合わせる。
また、赴任期間が1年以内なら、住所変更せずに郵便局の転送サービスを利用しても◎
郵便局の転送サービスを登録すると、1年間郵便物を指定した住所に転送してくれます。ただし、カード更新時に送られてくる簡易書留の手紙は転送されないので注意してください。
赴任中に期限が切れるなら事前に更新を
クレジットカードは有効期限になると、新しいクレジットカードが郵送されてきます。海外赴任中は新しいカードを受け取れないので、赴任中に期限がきてしまう場合は事前に更新しておきましょう。
海外赴任などのやむを得ない事情なら、期限前でも更新に応じてくれることがあります。カード会社にお問い合わせしましょう。
海外から利用することをカード会社に伝えておく
海外からクレジットカードを利用すると、不正利用検知システムが作動して支払いできないことがあります。
不正利用検知システムにはじかれないよう、カード会社に電話していつからいつまで海外で利用すると伝えておきましょう。
そうすると、カード会社は海外での利用制限をゆるめてくれます。
また、海外でクレジットカードが利用できないときは、以下の記事も参考にしてください。
>> 海外でクレジットカードが使えない原因とは?復活させる方法はある?
海外赴任先でクレジットカードを使うコツ4選
早めの作成がお得!
クレジットカードを作成するなら早めがお得です!作成時に2000~5000ポイント程度が付与されることがあります。以下の3ステップでポイントを使い切ってから出国しましょう。
2. ポイントが付与される
3. 出国前にポイントを使い切る
ポイントが付与されるまでには時間がかかることがあるので、早めに申し込みをしておくことをおすすめします。
利用可能額を把握しておく
赴任先に持っていくクレジットカードの利用額を把握しておきましょう。渡航直後はホテルや交通費、家の前金などでお金を使う機会が多いです。ショッピング利用可能額を上回らないよう、前もって調べておきましょう。
また、キャッシング機能を使って現地で現金を用意したい人は、キャッシング利用可能額とキャッシング金利も確認しておくことをおすすめします。
支払は現地通貨が吉
海外でクレジットカードを使うと「支払いは円?それともユーロ?」と聞かれることがあります。このときは必ずユーロ(現地通貨)で支払うようにしてください。
現地通貨を選択した場合は、カードが定める基準レートを使って支払額が計算されます。正式に定められたレートで、透明性が高いです。
一方、円での支払いを選択すると、お店が設定した為替レートで換算されます。不透明で割高になる可能性があるのです。
三井住友カードのサイトにも以下の記載があります。
日本円を指定した場合、その場で支払金額を確定できるメリットがありますが、お店が決定した為替レートで日本円に換算されることから、弊社で日本円に換算する場合に比べて割高になる可能性がありますのでご注意ください。
出典元:三井住友カード 海外でのご利用にあたって
支払い通貨を選択できるときは、現地通貨を選ぶようにしましょう。
スキミング対策をしよう
海外では日本国内よりもスキミング被害が多いです。
クレジットカードなどの磁気情報を盗み取ること。カード情報を読み取られると、カード自体を盗まれなくても不正利用の被害に遭う可能性がある。
非接触型のクレジットカードは、カードに触れなくても情報を抜き取られてしまいます。電波を遮断してスキミングを防止するケースなどで対策するようにしましょう。

まとめ
以上、海外赴任で使うクレジットカードを選ぶコツやおすすめを紹介しました。
- クレジットカードの選び方:国際ブランドはVisaとMasterCard、海外利用手数料が安いものを、海外旅行保険の有無
- おすすめのクレジットカード3選:1位 WISEのデビットカード、2位 エポスカード、3位 楽天カード
- 赴任前にやるべき準備:WEB明細サービスの登録&アプリの利用、住所変更、カードの有効期限の更新、海外利用することをカード会社に連絡
- 海外でカードを使うコツ:早めの作成がお得、利用可能額を把握しておく、支払いは現地通貨で、スキミング防止
しっかり準備して、安心して渡航してくださいね。
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